大高忍「マギ」 第3巻感想
表紙はモルジアナ。
憂いを帯びた表情にドキッとさせられる。切なげじゃないか。モっさん可愛いよモっさん。可愛すぎるよモっさん。
3巻は草原編。
おばあちゃんとアラジンの会話はわむなあ。
迷宮攻略後、見知らぬ土地に飛ばされたアラジンは、倒れていたところを遊牧民たちに拾われ世話になることに。そこに彼ら黄牙一族を侵略しようとする煌帝国の軍が現れて…、という感じで展開するマギ。
『マギ』や『ルフ』、”王の選定”といった超重要キーワードで物語の核心に触れる会話が多いのも草原編の特徴か。
アラジンの出生の秘密にも少し触れているけど、「他の誰とも違う、特別な人間である」という説明はあれだね。殆どなにも説明していないのと一緒だね。うーむ、謎は深まるばかり…。
また、ライバルになりそうな、煌帝国のマギであるジュダルや、同じく煌帝国の姫・白瑛、そして敵キャラ大本命であろうと思われる、王子・白龍も顔見せで登場。ワクワクせざるをえない。
基本的に草原編でのアラジンは脇役のパートが多いし、アリババはそもそも登場しねえ! なんだけど、黄牙の一族のみんながみんな良い人で嬉しい。
素性も知れないアラジンを”家族”として受けいれ暖かくもてなしてくれるのは見ててわみますね。宴会シーンとかとても楽しそう。
なのでその分、侵略しにやってきた煌帝国の、さらに一部の人間の外道っぷりに腹がたつ。でもまあ、こういう外道な敵は漫画を盛り上げてくれるので結構好き。それにしても大高先生は少年漫画だからと言って手を抜かない。
奴隷狩りで手に入れた黄牙一族の女たちを「末永く儲ける」ために使うその方法とか、サンデーなのにいいのかよ!とか思ってましたけどね、連載時は(笑)
いやスリリングだし、敵の非道っぷりが強調されるし、歴史モノっぽくて面白いからいいんですけど。
草原編の後に収録されているのはモルジアナが活躍するエピソード。
サンデー連載時じゃあ、久々のモっさん登場にボルテージが上がったもんですよ。
「あざ、早く消えてくれないかな…」と、奴隷時代についた足枷のあざを撫でるモっさんとか、ジャミルに追われる悪夢を見るんだけど、途中でゴルタスが現れて励ましてくれるから泣いちゃうモっさんとか、色々見所あり。
あと、おまけ漫画が色んな意味でやばい。
「ワァー」の書き文字が忠実すぎる。
F先生マインドたっぷりなアレなんですけど、なんでこんなにアリババはのび太顔が似あうんだ。しかもアリババの3巻の出番は、回想を除けば実質これだけ、というのもまた酷い(笑)
アリババとアラジンが読者の疑問・質問に答えるコーナーとして、今後単行本のオマケとして続くみたいです。いや、次回もドラえもんかどうかはわからないですけどw
やっぱアリババはヘタレてる時が最高だ。